はしがき

副詞などというものは,ずぶの初学者にとってはそう大して魅力のある題目ではありますまい。gern は「好んで」と覚えればよいわけで,それ以上なにもとやかく理屈をいうほどのことはありません。だいいち,副詞は語尾変化ということをしませんから,初級文法でも別に副詞のために一課をさくということはしません。

ですから,こういう叢書の「副詞」などという冊を買う人は,おそらくは全然の初学者ではなかろう……多分少しばかり噛っていて,なおそれ以上の詳しいことに興味を感ずる人とか,あるいは,そもそも語学というものが好きな,つまり少し道楽気のある人とか,とにかくなにかそんな人たちにちがいない……と判断しました。

そこで,この冊は,他の初級文法の冊とは少し程度を変えて,全然の初歩ではなく,少し中級に近く持って行きました。つまり,分離動詞とか再帰動詞とかいった普通の項目を充分に知っている人を対象として編さんしたのです。

関口存男